7月半ばか・・そろそろ新子が出てくる頃じゃないかしら。しかし都内は行きにくいしな、海なしグンマで新子を出してくれそうなお店なんてあるのだろうか。田舎の寿司屋さん情報ってネットにないんだよな〜・・でも一応検索。
驚くじゃありませんか、毎週豊洲に行って仕入れたネタをブログにアップしているお店がありました。今年の新子はあまりの高値にひとまず見送ったようですが、館山直送の黒ムツやら、今まさに旬である銚子のマイワシとか…よし予約しちゃえ。ポチー。
ププーとクルマを走らせてやってきたのはグンマでも結構な山側、桐生市にあります「江戸っ子寿司」さん。海なし山寄りで江戸っ子を名乗る気概はどうだ。駐車場は店舗前3台分ほどで少し難度が高いかな?
のれんをくぐるといきなり下駄箱だ。靴を入れてカギをかけて、左手の引き戸を開けるといきなりカウンターという面白い造りのお店です。
こんな時期なのでランチタイムは予約制。威勢の良い寿司屋というよりは熟達したソムリエを思わせるジェントルな大将にうながされ、カウンターに陣取ります。
熱いお茶をすすりながら、醤油の隣のツボは何かしらと開けたらガリだった。取り放題はうれしいな。
寿司はどうしよう。カウンターらしく好きなネタを頼むのもいいでしょうが、初めてだから上とか松とかのセットにぎりがあるならそうしようかな。
大将「それではこちらのメニューをどうぞ」
手渡してもらった「おきまり」メニュー。にぎりと江戸っ子の違いはネタ質ではなく握りの数かな。ここはやはり近海ウニや旬ネタをプラスしたという江戸っ子寿司の一点突破で決まりでしょう。
晩飯用にテイクアウトもいいな。やわらか箱鮨あなごもお願いしておきましょうか。
日本酒やワインもなかなかの品揃えですが、クルマだから見るだけ、見るだけ。ああ鍋島まである、目の毒だ。
まずはエビに小肌といかにも江戸前なネタが出た。エビの色味がすばらしいじゃないですか。小肌もきつすぎない締め加減が素敵。やっぱり新子食べたい。
シャリは人肌より1・2度高いくらいでサラリとほぐれる。うまい酢飯とうまいサカナのシンクロ!これだ、これが寿司だ!
第二陣でドーンと本マグロが出た!王将がこんな前にいるなんて、あなたヤンウェンリーですか!
この日はボストン産生本マグロ149.6キロ、だったかな。生のままジャンボジェットで来日してくれたマグロさん、夏場は近海モノより北米産の方が脂のりが良いそうで。
天然生本マグロの赤身の香り高さといったらありません。な、鍋島・・飲みたい。
トロにぎりの美しさなんてクラクラしてしまいそう。ほんの少し温かいシャリが脂を美味しく溶かしてくれます。これは無言でうっとりするしかないよ。
宮城よりお越しのホタテはたっぷりでっぷりたくましい。富山湾の宝石たる白エビさんは食べるのがもったいないような美しさ。でも食べちゃう。濃厚な甘味とねっとり食感がたまらんわね。
小ぶりな軍艦にた〜っぷりと盛られたイクラとエゾバフンウニ。一滴ずつ出るウニ専用醤油差しなんかもありまして。バフンウニ、命名の悪意はひどいけど味は最高だよな〜。
なんかバーナーが出たぞと思ったら、ちょっと待ってくださいよ。館山直送の黒ムツが炙りで出てきましたよ。
黒ムツなんてほぼノドグロのスーパー高級魚、しかも最もウマい皮が炙られて・・はわわわ、これはたまらん、好きすぎて死ぬ。
動悸息切れがしてきたところであら汁が出た。ふう助かったひと息入れよう・・ああ〜、白身のあらがたっぷり入ってンマーイ!
ふっくら仕上がったあなごは濃厚な詰めにゴマが振られて旨味風味の協奏曲。しっかり甘いのに酒が欲しくなるから不思議だなあ。
「おきまりはこちらで最後になります」と出てきたのはネギトロ巻きと江戸っ子の焼印も粋な玉子。巻き物がすっかり好きな今日この頃、ホントは3つあったけどフライングで食べてしまったのは秘密だ。
シャリは小ぶりですがネタは大きめな10カンと巻物というなかなかのボリュームでお腹は満足しているのですが、何か忘れているような・・アレだ、梅雨の頃がウマい銚子の入梅いわし。いわしを1つ握ってくださ〜い。
注文が入ってから生姜をすりおろすという、丁寧さもここに極まれり。そして登場したいわしのかっこよさ。これでもかという脂のりなのに清々しい香りという青魚の鑑だ。コレとまぐろ赤身と黒むつをいっぱい並べて鍋島を飲み続けたい。
ごちそうさまでした、新子が現れるころまた来ますとお伝えして退店。大満足だ〜!
だがまだ終わらない。帰ってからやわらか箱鮨あなごで今度こそお酒を飲むんだから。しかもこの日は名古屋場所千秋楽。相撲を見ながらあなごで一杯。ふわぁ〜い!
あ、新子が入ったみたい・・To be continued・・
江戸っ子寿司 群馬県桐生市宮前町2-16-3