冬来たりなばサカナがうまい。京の夕べはもちろん良い酒と佳い肴! 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

たま木亭さんのパンでランチを決めて、外に出るのも面倒ナリとゴロゴロ・・いちおう千枚漬けは買いましたよ、冬の京都だもの。

そして夕食の時間が近づいてきた。出発、出発〜。

はい、京都に通っているのはこちらに通うため。今日も今日とて「佳肴 岡もと」さんです。最寄りの清水五条駅からでも徒歩10数分、結局タクシーが一番です。「馬町交差点をちょっと東」と言えばあっさり着きます。もっともアプリなら直接目的地を入れられるワケですが。

わー、クリスマス仕様だ。和食のお店だからかカラーリングが渋くて良いですね。

L字型のカウンター席は全8席、もちろん完全予約制。おまかせコースが15,000円くらいなのかな。これでもかと日本酒を飲んでも総額で2万ちょっとくらいです。

L字の長い方の角2席をいただいて、今宵の宴、スタートです。

友人は小さなビールから。こちらはビールの管理も素晴らしく、見るからに美しい泡なんです。と言いつつ、ぼくは例によって初手から日本酒。最初っぽいものと雑な注文をしたら賀茂金秀・純米しぼりたて生が出た。そうか〜、新酒の季節か。いかにも新酒、ジュワーと音が出るほどのフレッシュ感がたまりません。間違いなく最初っぽいな!

スライド式の不思議な器で一品目の登場。

友人「これ初めて来た時の器だ」

あの時は淡路玉ねぎのおかいさんでしたね。一生なめられるヤツとか言っていましたね。

今回は京都の大根すりながし。すりながしの下には茶碗蒸しという熱々コンボ!優しさがすぎる大根にイクラとは、胃が暖まって暖機完了!

友人「やっぱ一生なめられるのだった…おいしい…」

最初の一杯は最初の一品で消し飛んでしまったため、上喜元を補給。ここでライブ骨切りが始まりましたよ。見事な手さばきも佳肴のうちです。さて鱧かな?伝助穴子かな?

はい、伝助穴子でした。明石の伝助穴子の落としと金時人参にスダチのアン。脂乗り良好すぎる巨大な穴子をスダチでサッパリと。見て美しく食べておいしくお酒が進む。佳肴〜。

他のお客さんに勧めていた浅間山をいただきましょう。へ〜、新潟のお酒みたいと言っては変ですがそんな感じで、シュッとしてキレイで色々な料理に合いそうなお酒ですね。しかしグンマのお酒を京都で初めて飲むとは。

(友人撮影)

お椀は冬の花形セイコガニ、なんですが

諸般の事情によりぼくだけ海老しんじょのお椀。汁でお酒が飲めて、海老しんじょでお酒が飲めて、しんじょをほぐして汁もろとも吸ってもお酒が飲める。ので、露と消えにし浅間山。

追加のお酒は長野の十九より戯画兎。卯年を前に干支仕様ですね。最近黄色くて癖の強いお酒より、軽いというか爽やかでスッと入るお酒を好むようになってきたような・・休肝日を設けてからカラダが変わったのかもしれん。

お造りにあたる一品は塩釜のホンマグロの漬けにくもこソース!あ、これダメだ。うまい、うますぎる。

友人「また永遠に食べられるシリーズだ・・これじゃ少ないよ・・」

ホンマグロの漬けってだけで大変なのに、かかっているのがくもこ、つまり白子ですよ?ウマすぎるものにウマすぎるものをかけてどうするの?こんな肴を出されては・・

軽いお酒が好きになったと言ったな、アレは嘘だ。生酛とかパワー系のお酒をくださいと言ったら但馬の香住鶴が出てきた!濃厚芳醇、米ってうめえ〜!と感じるお酒。好き。

終わらぬ八寸のはじまりを告げるイワシの辛煮。ほんのり酸っぱくて、カツオとイワシの旨味がスクラム組んで・・毎度思いますが、こちらの品を取り出すタッパーを丸ごと盗んで帰りたい。

淀大根のおでんに愛知のぎんなん。辛子のかわりに粉末柚子胡椒がふりかかります。師走にハフハフといただく大根・オデーン。「五臓六腑に染み渡る」を体感できるまたとない機会です。

秋田のセリとアワビタケ。セリって大好きでして、季節の間はひたすらワリワリかじっているのですが・・キノコと合わせるのもアリなんだなあ!そうだよね、セリとキノコとトリの鍋なんて常勝にして不敗な気がしますよね。

玉川の福袋・無ろ過生原酒でひと足早くお正月気分。きっとめでたい味です。

ささっとあぶって店中に広がる海苔の香り。手早く包んで手渡してくれたのは白エビのなめろう。炙りたての明石の海苔と白エビの甘ウマさと無ろ過生原酒!やっぱりめでたいなあ。

1.2キロの明石天然ヒラメには信長ネギと九条ネギのWネギソースがかかります。グラグラ煮立つ勢いの器で白ネギの信長さんがひたすら甘く、青ネギの九条さんがひたすらネギの香りを発する。こんなパンチのある焼きヒラメってある?

そろそろ食事モードということで、大将がデンと置いてくれたのは伊蔵さん。うへぇ、ここでしかお会いできないね。

というわけで食事モード第一の爆弾は鯖寿司!スグキと刻み山椒の二種類でサバとコメのウマさをこれでもかと楽しみます。うまい 鯖寿司 うまい。

友人が飲んでいる面白ラベルのお酒は澤の花純米吟醸ともぞう。「ともぞう」は杜氏さんのあだ名だそうですが、これは冷静さを保てない。ちょっとくださいと言いつつ大きめの器でもらいましょう。

これまた無ろ過生原酒だそうですが、スカッとクリアでうまいもんですねえ。クリスタルグラスにちょこっと注いで飲んでみたい。

第二の爆弾はひと口麺。シャポーンのコンソメにフカヒレと玄米麺です。シャポーンとは長期間育てた去勢鶏。脂乗り良好になるそうですが、そんなトリさんで出汁を取るなんてバチが当たるぞもっとやって。

ラストの甘物を迎えるのは薩摩維新。農林二号という古い品種のイモを醸したお酒です。昔ながらの焼酎の味・・はよく知らんけど、なんかアレだね、イモくさくて良いアクがあるね。お好きな人にはたまらない、お好きな人なのでたまらない。

むかしのイモに立ち向かうのは、青森のこみつりんご白ワイン煮にイチゴのソースと金柑!イチゴはあえて酸っぱいヤツにしたそうで、甘酢っぱウマ甘〜の猛烈なコンビネーション!ぐわわわ、うめぇ〜!イチゴ好きの友人は完全KOの模様です。

目の前で包んでふかしあげる饅頭は落花生と竹炭という面白コンビ。できたてホカホカまんじゅうにお茶ですよ。まさしくこの辺でお茶が怖いですよ。

本日も冬の近畿をこれでもかと楽しませていただきました。帰りのタクシーで次回をネット予約・・いや〜、1ヶ月前じゃ金土は取れない・・ので、1月末の日曜に決まりました。みんなウマいもん好きなんだね。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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