真夏の佳肴を盛り立てる夏酒、揃う! 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

長浜でビワマスをいただたり鮒寿司なんかを自宅に送る手配をしたら、最終目的地の京都に向かいましょう。

いつものうま味さんやらの京都名物を仕入れて東横インにチェックイン。しかし8月の京都を歩くとダメだね、汗だくなんてもんじゃないよ。昨日のぬるい温泉が恋しい。

ようやく日が落ちてきて涼しく‥なるワケもないのでタクシーで行くか。目指すは清水五条の馬町交差点付近にあります「佳肴 岡もと」さん。7月は来ることができなかったので2ヶ月ぶりとなります。

カウンター8席、おまかせコースのみ。飲み物は約60種の日本酒と見事に管理された生ビールが中心となります。お値段は飲み物込みで20,000円程度。

みなさん小さめのグラスビールで喉をうるおしているところ、例によって日本酒でハナを切ります。秋田の阿櫻 夏の青りんごちゃん。りんご酵母というわけではなく、りんごのような甘酸っぱい風味のお酒です。

12%という低めのアルコール。おかげでよく冷えたところをキューっと喉に通すとたまりませんね。

友人「ビール頼んじゃったけどソレも注いでください!」

果物風味の日本酒が好きな友人が黙っているワケはなかった。

まずは胃を盛り上げる温かい一品。新銀杏の飯蒸し 焼きなすとニジマスキャビア添え

最近この飯蒸しというモノが好きで好きで‥餅米ってバスマティライスと逆のベクトルでチートなうまさ。

色鮮やかな新銀杏のなんともアダルトな苦みはどうだ。ふは〜とため息が漏れちゃう。

でっかい葉っぱをお皿に出てきたものは、落とし穴子と甘エビ柚子あんとワサビオイルが風味を添えます。

祇園祭も終われば下手なハモより伝助穴子ということですか。そこに柚子風味と甘エビとは爽やかな。オクラやトマトも全力で夏!夏だ!

お次は鳥取の日置桜 青冴え 山⭐︎玉。搾りたての時によくできたお酒のみが発色するという青冴え。そのお酒を火入れしたなんとも罰当たりなお酒です。

スカッといわゆる辛口風、でも旨味たっぷり。色々な料理と仲良しになれちゃうんだろうな。

8月のお椀は自家製干し鮎と満月豆腐。極上の出汁と香ばしいなんてレベルではない鮎!大好物の鮎がもっと好きになっちゃうじゃないですか困ります。

高知の久礼 特別純米 花河童。ハナガッパ?O次郎とか思い出してしまう名前だね。ああ、確かにラベルの右隅に河童がいるわ。花火を見る河童で花河童とは風流な。

お味の方はドカンと、まさに花火のようなインパクト。アルコールは実に19%、ロック想定なのかもしれませんが、そのままでもスカッとした爽やかさでクイクイ飲めちゃう。いや〜、四万十川の清流はなんとも涼やかですなあ。後が怖いけど。

明石鯛の皮霜造りに煎り酒。切れるお酒と白身魚は永遠の友だち。みんな大好き皮つきの鯛の皮を梅香る煎り酒で。いやはや、夏ゲージが振り切れてしまう佳肴が続きますね。

岡もとさん式八寸のはじまりを告げるのは、おなじみイワシの辛煮。酢などを使って計5時間煮たというイワシは骨まで含めた全てが佳肴。まぶしてあるカツオの粉は本枯節の削り屑らしいですよ。贅沢な話だなあ。

三河の煮ウナギにササゲ。甘辛に炊かれたところにふわりと山椒。こいつは汁までツマミじゃないの。

ところで大きな‥しかも素晴らしい熟成の色をしたカラスミを切っているように見えたのですが、アレは?

なんとぼくの隣のご婦人がウナギNGということで、代打カラスミ!

おわ〜カラスミ大好きだうわ〜と友人と二人で騒いだら一枚ずつ切ってくれました。1年たっぷり熟成されたこの色味よ。ねっとり絡みつくような舌触りよ。

なお岡もとさんの客層は極めて上品なので、おねだりするようなバカは我々だけです。すみません。

ニシンのなめろうに明石海苔。ディルの花がちょっと不思議な多国籍感を加えます。

生や酢締めのニシンってうまいよなあ‥青魚の旨味を抽出したような感じで‥こうなると生酛や山廃みたいな黄色っぽいお酒が恋しくなる。

黄色いお酒といえば?なんだか毎月のように見ている気がする、和歌山の車坂 山廃純米酒。あとは竹鶴・天狗舞・菊姫あたりを出されると泣いて喜びます。

ワカメとキュウリのおひたしを赤海老出汁のスープ仕立てで。出汁でおひたしとはツマミに好適すぎやしませんかね。ニシンと合わせ技で車坂はたちどころ。

メインに向けて出ましたお酒は、新潟の今代司 夏限定純米酒 風鈴。いかにも涼しげでスッキリ飲めそうな瓶とラベルですが、騙されてはいけません。アルコールは実に18%とめちゃくちゃ原酒です。先ほどの花河童と似たタイプですかね。

ロックで飲めば爽やかで氷の音がまさに風鈴のよう‥というのが名前の由来だと思うのですが、そのまま飲めば?ドッシリ飲みごたえのあるパワフル純米酒。くぁ〜効くぜ。

つまり甘鯛の炭火焼きに冬瓜のすりながしなんてフィーバーでパワフルなサカナにもってこいというワケだ。パリパリ食べる甘鯛の皮ってなんてうまいんだ。皮の厚さが一寸の甘鯛があれば十万石と交換しても良いぞよ。

食事モード突入となりまして、まずおなじみ鯖寿司は大葉と実山椒で。しっかりめの酢と少しかためのご飯が食事ものだというのにお酒を呼びましてな、この辺で焼酎でもいただきましょうか。

いつもは芋ですが、本日は越乃寒梅 十年古酒 乙焼酎。43度とは思えないほどのまろやか熟成。越乃寒梅ってスタンダードな物しか飲んだことないからハッキリ言い切れないけど、焼酎の方が好みかもしれない。

これまたおなじみ、シャポーンコンソメと玄米麺とふかひれ。飲んだ後のひと口麺はまことにうまい。スープが極上のコンソメならさらにうまいうまい。いつかシャポーンの本体を食べるために鹿児島へ行きたい。

デザートは白味噌ジェラート。まわりに張ってあるのは桃にカルダモンやシナモンを加えた香り高いソース。アダルトタッチなおいしさでウイスキー飲みたくなっちゃう。

ライブでふかし上げるまんじゅうはきなこまんじゅう。アンコはずんだと和三盆。夏の甘味といえばずんだですよね!枝豆ほど夏にふさわしい香りってある?‥え、キュウリ?そうだね。でもありゃアンコにはならんでしょ。

2ヶ月ぶりとなりましたが、真夏も見事な佳肴揃いでした。例によってお酒を飲みすぎました。

次回は9月、馬もなんでも肥えてしまう秋です。もっと飲んでしまうこと疑いなしです。こわい、まんじゅうもお酒もこわい。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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