長月の佳肴でひやおろし。どうやっても肥ゆるほかない秋が来た! 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

9月半ば、またまた京都に行くこととなりました。京都といえばいつも和食なのですが、今回はなんだかフレンチでワインも決めたい気分。

だったら両方食べれば良いじゃないかというインチキアントワネット発動。初日和食で翌日フレンチという、京都二泊三日バチ当たりくいだおれツアー催行を決めてしまいました。

初日の夕食はいつもの「佳肴 岡もと」さん。食材が光り輝く秋はどんな佳肴が‥そういえば初めて来たのも秋だったような。いつだったかとアルバムを遡ると、なんと2021年10月?もう3年か〜、光陰矢の如しだなあ。

9席のカウンターはほぼ埋まっていて、ビリから2番目の入店です。

料理はおまかせコースなので頼むのは飲み物だけ。もちろん初手から日本酒です。残暑厳しい京都ということで涼しげなお酒から、長野の真澄 すずみさけ

大学時代「真澄ちゃん」という先輩が何かのお祝いで真澄を配っていた記憶がある。名前と同じお酒があるって便利だね。

温かい一品から料理のスタート。ホタテの灰干しと汲み上げ湯葉にサバへしこのアンと新銀杏。天高く馬肥ゆる秋コンボの登場です。

へしこアンの香りと酸味の複雑さよ。新銀杏の美しさとほろ苦とほろ甘よ。灰で水分が抜けて旨味が凝縮されたホタテよ。なんたる‥佳肴!

次なるお酒は宮城のやまわ 純米 カラッ‼︎です。いにしえのマンガ的表現が素敵ね。実は「辛っ!」と声が出るほどでもない、爽快感と旨味が両立した食中酒でした。

そして料理は‥ぼくの所だけお皿が来ない。なぜならカニだから。

みなさんがおいしくカニをつついているところで岡もとさんが取り出したのは、巨大も巨大、超弩級の岩ガキ!みなさんカニを食べる手を止めて歓声を上げましたが、たぶんアレは‥

ぼく専用なんだよね〜。カニの代打、岩ガキ!殻のサイズがNintendo Switchくらいありそうな、大きな大きな岩ガキが軽く漬けになっています。特濃の磯の香り、なんというおいしさ。

友人がヨダレをたらして見ているので2切れ差し上げました。いやホント、2切れ程度で立派な小鉢一品になってしまいそうなボリュームなんですよ。

強い味の肴には強いお酒。石川の宗玄 石川門 ひやおろし。かの地震で大きな被害を受けた宗玄さん、9月に蔵入り再開とHPで報告があったのでひとまず安心。お酒も強ければ蔵も強い。ぼくにできる応援は飲むことだけだ。そもそも宗玄大好きなのだ。

お椀は蒸し鮑に豆腐。毎年加賀屋さんで出ていたので、ぼくの中では鮑も石川の味。心の中のテロワールでは宗玄にピッタリということだ。

石川からちょっと西へと向かって、島根の天隠 ひやおろし 純米生詰原酒。熟成香はあるのにヒネ感はない、ひやおろしの良いところがバッチリ出たお酒だ。ひやおろしって本当にうまいなあ‥秋を告げるお酒だから、合わせる肴がこれまたうまいというのもあるのだろうね。

お造りは天然メイチダイ。夏から秋にかけての一瞬、まさに今が一番おいしい白身です。千葉の落花生オオマサリの漬けとニラの花を薬味にいただきましょう。

さすがニラ、花まで柔らかいニラの香りがする。カツオなんかには穏やかすぎるだろうけど、繊細な白身には素晴らしい相性。やはりひやおろしの季節は肴がうまい。

岡もとさん流八寸はイワシの辛煮から。酢の酸味で食欲倍増、本枯節の粉はもちろん最高。

八寸に対抗するお酒はわれらがスワティ、鳥取の辨天娘。契約栽培or自家栽培の米、昔ながらの木槽、物によっては酵母を使わないなど変態も変態です。素晴らしいです。

黄色くコクとクセがあり、お燗にすればなお映えるでしょうが、冷たいままでいただいちゃいます。すみません。

空芯菜とひも唐辛子をおばんざい風に炊いたもの。唐辛子と言ってもシシトウとかそっち寄りの青い香り。シャッキリ空芯菜と一緒になるとお酒が止まらん。

新サンマもろみなんてトンデモな肴まで来ちゃった!なめればなめるほど秋のうまさよ。

ここで揚げ物が手渡しされます。なんとハモの春巻き!梅肉わさびなんてつけながら熱々にかぶりつく‥ぼくはいま、京都にいるんだなあ‥

鶏がかっこいい宮城の阿部勘 純米吟醸 良い兆し。良い兆しをとり込むことができるようということでこのラベル、らしい。こういうタッチで描くと、鳥と恐竜が親戚というのも納得。もっと言えば、ニワトリのデザインっていかにも魔物だよね。

お酒は怪物でもなんでもなく、穏やかな吟醸香が心地よい。秋の夜長にず〜っと飲み続けることができそう。

主菜に当たる魚は、明石の一本釣りサワラを軽く燻したものに焼きなすのすりながし。ふりかかるのはなんとサワラのカラスミですって。

魚へんに春と書くサカナですけど、実はほぼ一年中おいしいエラい子です。一本釣りともなれば身もしっかりして‥ボラのソレより柔らかな風味のカラスミがまた素晴らしいな。ひと腹まるっとくれませんかね?

さて、そろそろ食事ものなので芋に切り替える時間です。本日は一人蔵。華やかな香りなどはありませんが、トロみすら感じる舌ざわりからゆったりと広がる甘味。う〜む、しみじみうまい。

おなじみ鯖寿司は大葉と実山椒。岡もとさんちの鯖寿司は酸味の塩梅が良すぎてツマミに好適という欠点があります。食事ものにカウントできないじゃないか。

ということで芋をもう一杯もらっちゃう。瀞とろは先ほどのお酒よりもさらに香りが控えめで穏やか。そして甘味がさらに深い。秋の夜長にちびりちびりと舐めたい‥ウソです。コクコク飲んじゃう。

これまたおなじみシャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。何度も書いているのに、いまだに一発変換しないぞ社ポーン。

芋と一緒に飲むたびに九州シャポーンツアーに行きたくなるんだけどね。九州か‥飛行機とレンタカーの合わせ技で行くかな。

水菓子は藤稔というブドウと新甘泉というナシにノンアルのスパークリングをかけたもの。「しんかんせん」ってそういう字なのか。

けしの実生地に大納言あんのまんじゅうとお茶でシメ、のはずなのですが、

なんだかこの日はシメのビールをもらってしまったのでした。どうですこのきめ細かい泡は。サーバーの管理はまさに完璧と言わんとせんければなりませんでしょう。

そしていつもならタクシー待ちをしながら次回の予約を入れるところ、今回はもう決まっているのです。10月半ばです。さらに秋めいた佳肴が出てしまうのでしょうか。ウマもぼくも肥ゆるのは確定か。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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