濃厚なれど後味サラサラ、白メシとお新香を呼ぶ「和」のタンシチュー 銀之塔 祇園店(東山区・祇園四条駅)

京都フライ割烹で肉と魚とお酒のお祭りを楽しんだ翌日。せっかく京都に来たなら祇園のWINSに寄らないとね‥実はソッチが主目的だったりして。

というわけで祇園通いを続けていますが、そのたびに気になっている看板があるのです。

シチュー専門店 銀座 銀之塔 祇園店」さんでよろしいのでしょうか。祇園なのに銀座、シチュー専門店という微レアなポジション、そしてレトロなフォントと変な鳥。惹かれぬはずはありません。

‥銀之塔‥トゥールダルジャン‥あ、この鳥は鴨、鴨なのか?

軽く検索してみたところ、ランチタイムでもネット予約可。そんなわけで今回の出発前に席だけ予約しておいたのでした。

看板の所から狭い道に入り、この階段を上がった左手がお店です。

店内はカウンター数席と六人くらい座れそうな大きいテーブルが一卓。一人だからカウンター席だろうと思っていたら、テーブルにパーテーションを置いて、ゆったりしたスペースを確保してくれていました。

ビーフ・ミックス・野菜のシチュー定食がいずれも2,700円で、タンシチュー定食3,700円。ローストビーフ定食が2,900円。

シチュー専門店を名乗るだけに、トゥールダルジャンでも鴨料理はないみたいですね。

シチュー定食にローストビーフやコキールがつくSetメニューが4,500円か。コキールは(グラタン)って書いてあるな。きっとうまいよな‥

しかしこの店のボリューム感を掴めていない。定食ということはご飯とか色々つくはずだから、とりあえずそれだけで行こうかな。ちょっと豪華にタンシチュー定食を願いま〜す。

‥あとすみません、グラスの赤を‥

緑茶と赤ワインというなかなか珍しい並びとなりました。

シチューセットといえばパンかご飯を選べる所が多いのでしょうが、こちらはご飯のみ。そして最初に出てくるのは緑茶‥不思議な雰囲気ですね。

おっ、シェフが冷蔵庫から巨大な黒い物体を出したぞ。あれって丸ごと一本のタンじゃないか?

ある程度まで仕込み済みのタンを注文が入ってから切り出して、さらに一煮立ちで完成というわけなのか。なんとも贅沢な話じゃないか。

おわ〜、一煮立ちどころかグラグラ沸き立つ土鍋で来た!

記憶にあるビーフシチューの類とは少々様子が違う、トウショウファルコのような明るい栗毛色。隠しきれないサイズのタンがチラリと見えてセクシーな。

まずはサラダからいただきましょう。シンプルな野菜の組み合わせにシンプルなドレッシング。おかげでどちらも上質なのがよくわかる。

慎重にフーフーしながらひとすすり‥

むむぅ、肉や野菜の旨味がたっぷり溶けこんだ、これは確かにシチュー‥でもひと味、いや、ふた味くらい違う。濃厚なのにあと口すっきり。味噌なんて使っていないと思うのに、まるで具沢山の味噌汁や豚汁といったような雰囲気。こ、これは‥

そう、ご飯とお新香が恋しくなる「和」のシチュー!ご飯一択なのはそういうことか!

チラと見えていたタンの引き上げ作業に入りま〜す。

うわデカい。ミックスシチューはタン先、タンシチューはタン元と書いてありましたが、なるほどタン元のえらく良い所です。こんなサイズが3つ4つ隠れているから結構なボリュームです。

これはご飯にのせろとモビルスーツが言っている。

箸でホロリとほぐれるタンとご飯をまとめて口に運ぶ‥よくできた握り寿司のように、美味しいものとご飯が口の中で絡まりあってエラいことに‥うまい、うますぎる。

玉ねぎやタンで赤ワインをクイっといくのも当然うまい。和風シチューだからか、渋味控えめなフレッシュワインが憎いほど合う。ちょっと甘めの日本酒なんかでも美味しそう。

シャッキリした歯ごたえを残したメークイン的なジャガイモ、彩りと香りに青味を添える絹さやなど、脇を固める野菜も頼もしい。

土鍋にご飯をドボンしたくなるけど、今回はラーメンライス方式で食べすすめまして、完璧な配分によるひとくちタン丼でフィニッシュ。

これが洋食黎明期の日本式シチューというものなのか。シチューの素なんかで家庭まで浸透した今となっては非常に新鮮な味、素晴らしい体験でした。こうなるとコキールも食べてみたいな‥

こちらが食べている間、シェフと店員さんはカウンター奥にそっと身を潜めて、静かな雰囲気を作ってくれる気遣いも嬉しい。

これはWINS京都のたびに寄らねばいかんお店ができてしまいました。ついでに銀座本店も行ってみたい‥ちょっと待ってください。本店とWINS銀座、目と鼻じゃないか。こりゃ決定だ。

銀之塔 京都府京都市東山区大和町1-6-6 ラテンビルⅡ 202

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