目にも鮮やかな初夏の佳肴にパンチの効いたお酒!これが京都の暑気払いだ! 佳肴 岡もと(東山区・清水五条駅)

御食国・若狭でサバを堪能したら京都に向かい、いつもの東横にチェックイン。

夕方になったので京都の友人と合流してタクシー移動、予約時間より10分早く着いてしまったのは

すっかり京都のお気に入りとなりました「佳肴 岡もと」さん。カウンター8席のみの完全予約制というなかなかの難度ですが、なんだかんだ月イチに近いペースで来ているような。

暖簾を出しにきた奥様にうながされ、少々早めに入店させてもらいました。

開店の18時となり、ヨダレを垂らしそうな顔をしたお客さんがぞろぞろと揃います。

メニューはおまかせコース15,000円(くらい)一本勝負なので注文するのは飲み物だけ。「次の料理に合いそうな」とかざっくり雰囲気を告げれば、大将がバッチリのお酒をお勧めしてくれます。

最初にキューと涼しげなヤツと雑な注文をしたところ、甲子の純米生原酒が出てきましたよ。濃醇かつ切れ味スカッとしてまさに注文通り!

最初はアダムのパンツウリか何かの葉っぱに覆われた一皿が登場。なんだか謎めいていますね。

大将「葉っぱは涼しげかなと思っただけなんで食べないでください」

葉の下にあったのは、なんとシチリア産ピスタチオの豆腐!上の黄色いのはごま油が入った人工キャビアですって!すごい、信じられないくらいピスタチオの味だ、うま〜い!

ねっとり感はごま豆腐、味はピスタチオ、キャビアからさらにごま油で脳がバグって楽しい楽しい。

友人「まわりのお出汁もおいしいし、一生食べてられる・・」

舞鶴のトリガイに鯛の炙り、ずいきとスナップエンドウを添えて薄めの酢で。お皿がわりはトリガイさんの旧住居ですか。食べるのが惜しいほど美しいじゃないの、食べるけど。

4〜6月と旬の短い舞鶴トリガイさん、巨大な身は厚みも甘さも素晴らしく、淡い酸味と合わせるとお酒が・・うう、なんか柔らかくてシュッとしたお酒が欲しくなる。

以前来た時に山口のOhmineがありましたよね、今回はありま・・すか!ください!う〜ん、シュッとして最高!

日本料理の華であるお椀です。フタを開ける瞬間がまたお楽しみ。パカ。

結びキスと豆腐がこんにちは。針生姜と柚子が効いて、こういうのを「馥郁たる」というのだろうな。

山口のお酒はまだありますかと無茶を言ったらが出てきた。ホントなんでもあるのね。

明石のコチに淡路島新玉ねぎのちり酢という御食国のカンナム・エクスプレス!最高のコンビネーションじゃないか!カレイと並ぶ夏の白身代表・コチ選手。食べれば食べるほど涼しくなるようだ。

岡もとさんの名物であるイワシの辛煮。塩味・旨味・酸味・渋味が揃って佳肴にも程があるので、この辺で一つ強烈なお酒をいただきましょうか。

広島の食中酒番長・竹鶴!結構なクセと山吹色がかったような色、昔のお酒だなあ〜、大好き。

新ごぼうとすりごまなんて素朴なおばんざいも上品で切れるお味になっております。竹鶴が進むが一杯分しかなかった、無念。

明石のメスダコに紀州梅。なんて初夏を感じる一品でしょう。タコはメスの方が繊細で食べやすいそうですが、まさにそんな感じの心地よい食感。オスのゴリゴリマッチョな歯ごたえも結構好きですけどね。とにかく梅雨時に食べるタコは最高。

ゴリゴリマッチョというところで、グンマが誇る大盃・マッチョウーマンをいただきましょう。なんともコメントしづらいラベルですが、低精白の文字通りマッチョで力強いお酒なんです。

直接手渡してくれたレンゲに盛られているのは高知の天然うなぎとうずら卵、下のご飯には八代の海苔がたっぷり混ぜ込んであってさあ大変。ひと口のもとにいただけば、うまくて香り高くて口から味皇ビームを射出しそうになります。

飲み込むと同時にマッチョで追えばさらに・・う〜ま〜い〜ぞ〜!!(ビーム出た)

グラグラと音がする土鍋風の器を開けると、徳島の白甘鯛炭火焼き・アラ出汁のスープ仕立て・・昼になんとなく甘鯛を選ばなかったのは、この出会いを予知していたのか。やったぜ!

はっきり言って今までの甘鯛で一番美味い。こんな食べ方があったのか。グラグラ煮詰まってくるとさらに旨味が濃縮されて、スープだけでも酒が飛んでいく・・

え〜い、ここで大好物の雨後の月を投入だ!ビームを乱射だ!

あっという間に飲み干してしまったので、さらに風味が強いお酒を・・例えばマッチョより精米歩合がアレなお酒ってあるでしょうか。

聞いてみるもんですね、千葉の寺田本家・香取の90が出てきちゃった!精米歩合90って、つまりロクに磨いておりません、ただのコメです。そんなわけで糠っぽい香りがするんだけど、これがまたウマいのよね。

友人「糠って・・ちょっと飲んでいいですか?」

どうぞどうぞ。好き嫌い分かれるというか、大概の人が苦手かも・・

友人「あ、本当に糠っていうか高菜っていうか・・おいしい、かも」

え、イケるの!驚いたなあ。

肴から食事ゾーンに切り替わりまして、スグキと実山椒と二種の鯖寿司。香取がぬか漬け風なんで、酢とメシの鯖寿司にはピッタリ・・と、ぼくは思うのですが、さて。

しかし岡もとさんの鯖寿司は毎月のように食べても全く飽きないなあ。むしろ毎週食べたいくらい美味しい。半本ずつくらい持ち帰って家呑みしたい。

これまた食事モノの定番メニュー、フカヒレと麺入りのシャポーン鶏スープ。オール中華な組み合わせなのに和の美味さで日本酒を呼ぶ謎ですよ。

シメのまんじゅうの準備が始まったところで、シメの芋ロックをお願いしましょうか。今日は・・

張り込んで伊蔵さんにしちゃえ。芳醇無比、その通りだよ!

デザートはブラックチェリーの白ワイン炊き、上には氷餅が散らされ、下にはマンゴーのお座布団。伊蔵もいいけど貴腐ワインも欲しくなっちゃうね。

岡もとさんのラストを飾るのは、目の前でこねて包んで蒸したまんじゅう。本日は波照間島の黒糖入りの生地に丹波大納言の餡、ものすごく王道なまんじゅうです。ぽっくぽくの軽い生地に重厚な甘味で、焼酎もお茶も怖い怖い。

蒸し暑い時期にピッタリの爽やかで涼しげなメニューが揃ったコースもこれで終了。ちょうどギリギリ満腹だ。しわわせだなあ・・

友人「もちろんどれも美味しいんだけど、目の前で作ってくれるし大将の話が面白いし、とにかく楽しいんですよね〜」

全くその通り、うまい上に楽しいんだわね。というわけでまた予約しちゃったい。次は7月・・この記事が公開される頃です。

佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4

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