ほぼ毎月恒例の「佳肴 岡もと」さん、五月の予約日はよく考えたらダービー当日だった。せっかくだからリニューアルしたという京都競馬場に行くとしましょうか。
ダノンデサイル!ノリさん!いや〜皐月除外からダービー取るかね。
馬券は2レースくらい小当たりがあっただけでしたが、新しい指定席は当然のように綺麗で座り心地良好だったし、友人は一日楽しんだ挙句トントンだったそうだし、ライスシャワーの供養塔も拝むことができたし、
なんと言っても肝心の岡もとさん予算は残ったので、ヨシ!
本日は他の予約の方との兼ね合いで18時半スタートです。おや珍しく一番乗りだ。それではとりあえずお酒をお願いします。
初手、鶴岡のスーパーくどき上手!精米歩合30と間違いなくスーパー。これでもかとコメを磨いたお酒は久しぶりだけど、スッキリしていて最初の一杯にはいいもんですねえ。
蒸し鮑と飯蒸し。龍の髭とえんどう豆が彩りを添えます。優しさそのものの餅米とクニクニ鮑。上手いだけでなく楽しいなあ。
お次は熊本の崇薫 純米吟醸生原酒が出た。うわ〜甘いと声が漏れるほど甘いのにシュッと切れて、初めて飲むけど美味しいお酒ですねえ。熊本って球磨焼酎だけじゃないんだね。どこで買えるのかなあ‥あっちまで行かなきゃダメ?久しぶりに行こうかな。
富山湾白エビの羅臼昆布締め。ウニと山椒オイル。
五月なので菖蒲の葉が敷かれます。ゲンかつぎダジャレは「よろ昆布」とか「めで鯛」とか本当にそれでいいのかというモノが多いけど、菖蒲で尚武はかっこいいですよね。食べ物じゃないけど。
富山湾の宝石が来てしまっては、北陸のお酒を飲まねばなりますまい。能登は珠洲の宗玄 無濾過生原酒!10年くらい前に珠洲で宗玄飲み比べを楽しんだ旅館は未だ休業中です。こんなうまいお酒を飲んで応援につながるなら飲む!ガンガン飲んじゃう!
お椀は霞ヶ浦の鯉の葛うち。アスパラソバージュと山椒。大好物の鯉だ、やったー!
葛をまとった鯉の後に飲む宗玄、風味がつよつよ同士のシュートマッチはたまりませんって。おフランスのアルザスには鯉のフライ街道があるとか聞きますが、アルザスワインとアルザス鯉の対決も考えただけでヨダレが出ますね。いつか味わいたいなあ。
舞鶴トリガイの特々大。なんともかぐわしいのは燻製醤油だったかな。
ちらっとスダチをしぼってちょろっとワサビをのせて食べると‥ヴマ〜と声にならない声が出た。今までのトリガイ観がひっくりこけるほどうまい、うますぎる。その歯ごたえはなんだ?その甘味はなんだ?このトリガイなら地球を救えるんじゃないか?
滋賀は竜王町のお酒、松の司。竜王町、将棋好きも競馬好きも憧れるカッコいい地名の代表。いざ行ってみると、近江牛のお店ばっかりでお金がすっ飛んでいきます。注意、注意〜。
ホタルイカの黄身酢と島らっきょう。四月は魚醤炒めで五月は黄身酢。春といえばのホタルイカを月替わりの味で楽しめるのは嬉しい限り。そして島らっきょうの薬味としてのポテンシャルよ。
魯山人も愛した滋賀の七本鎗。「ヤリ」を鎗と書いたのも魯山人だそうですよ。
古めき濃い、ものすごく日本酒らしい味です。大好きです。
新じゅんさいのしょっつる仕立て。いつかやりたい、タライに乗ってじゅんさい摘み。秋田行かなきゃダメかしら。行ったところで体重オーバーかしら。
宗玄に七本鑓と大ふへん者みたいなお酒が続いたので、すこしサラッと涼しげなお酒をお願いしましょう。山梨の旦 夏純米吟醸。
甲州ワインのようにあらゆる料理を柳腰で受け止めててくれそうな‥と言いたいところですが、女性に縁がないのでよくわかりません。言ってみたかっただけです。とにかくサラッと気持ちいい食中酒ということだな。
明石の天然ハマチを味噌・シソ・ゴマでなめろう風に。明石海苔で包んで手渡しです。米国よりのお客様にはスモールブリと言っていました。
その通りスモールなブリであるハマチですが、なめろう風にいただくなら脂の具合がちょうどいい。明石の海苔がまた香ばしいどころの話じゃありません。
タイの身とタイの酒盗の共和え。タイ同士の共和え!そんなのお酒も心も盛大に盗まれてしまうじゃないか。
ここで出ましたのは新潟の今代司 夏限定純米酒 風鈴。ロック推奨というだけにアルコール18度。そのまま飲むと新潟の米をフルに感じてこれまたうまいなあ。新潟行く用事があるから探してみよう。
本日の主菜‥主肴は白甘鯛のカダイフ包みのそら豆のすりながし。上にふりかかるのはおろしたてのカラスミ!
甘鯛のうまうまな汁を一滴たりとも逃さないカダイフ、なんとありがたい‥初夏の権化たるそら豆の香り、酒どろぼうの権化たるカラスミの塩気、しあわせだなあ。
うっとりしたところで、そろそろ食事ものです。本日の芋ロックは伊佐大泉。いつも思うけど、岡もとさんで芋飲む人って何人くらいなんだろ。
おなじみ鯖寿司はスグキと実山椒の二種。大葉とスグキでいやが上にも蘇る食欲、実山椒の刺激でいやが上にも蘇る舌。ここで飲まないのはもったいないようだ。
これまたおなじみ、シャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。鯖寿司二切れからひとくち麺とか、酒飲みの気持ちをどれだけ理解しているのか。
これでもかと食べて飲みまして、楽しい宴もたけなわとなりました。マンゴスチンとスイカでお茶をいただきます。この角皿、良すぎませんか?
目の前で作ってくれるおまんじゅうで締め。なんのまんじゅうか忘れちゃった!でも餡は大納言だった、と思う。
毎月最高の満足を与えてくれる岡もとさん。今月は大好物の鯉とかビックリするほど身が立派なトリガイとか、いつにも増してうまかったというか、好みにピッタリでございました。おかげでちょっとお酒が進みすぎたよ。
さて友人、次回はいつがよろしい‥え、6月頭?2週間も経たないじゃないか‥ん?その週は石川の小松に用事があるから‥ついでと言うほどでもないけどおおむね西側だ、予約しちゃえ。
来週よりその旅の話です。京都やら小松やら氷見で色々食べて、シメは6月の岡もとさんとなります。
佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4