
即身仏と温泉。極めてジャパネスクなテーマで来ました山形県。
悲願であった農家ランチをいただいた後は北上して、酒田市のお寺にお参り。全国でも唯一、なんと即身仏が二体いらっしゃるお寺がありました。すごいなあ、庄内。

お寺の近くに土門拳記念館もあったのですが、今回はスルーしてメロン街道から鶴岡市へ戻り、クラゲで有名な「鶴岡市立加茂水族館」に入館しました。
前に来たのはリニューアル前の「クラゲが多い小さな水族館」だった頃。立派なクラネタリウムとなった今は、平日でもお客さんが溢れるスーパー観光スポットになっていました。

それでもバックヤードツアーに参加できたのは平日パワーですね。1万匹のクラゲがたゆたう大水槽を真上から見たり、水槽に入る前のミニミニクラゲを見せてもらったりとまさしくバックヤード、展示の裏側を覗かせていただきました。

魚群がある所にはさかなクンさんあり。さかなの子は映画館で見ちゃった。

頃はよし、そろそろホテルにチェックインだ。本日のお宿はあつみ温泉の「萬国屋」さんです。お隣のたちばなやさんと共に、あつみ温泉の双璧と謳われているとか。どっちが疾風かでどっちが金銀妖瞳なのかは知りませんが、両方ともイゼルローンのようにでっかいです。

車寄せらしい所まで来ると、仲居さんが手を振って近づいてきたぞ。
「駐車場はあちらの橋を渡ってすぐの所になりますので、そちらにお車をおとめください。お荷物は先にお預かりします」
バレーパーキングではないのですね。ではバッグを渡して、駐車場に行って、と。

1・2分歩いて、改めてお出迎えをしていただきます。玄関前から見上げてみるとさらに立派だ、すごい圧の建物だ。
「玄関前でお写真をお撮りしましょうか?」
甚だしく絵にならないのでやめておきます‥でもぼくの写真ってまるで無いんだよな。今のままだと、たとえばタイホされた時なんかに晒されるのが卒アルの写真になってしまう。どこかで撮っておいた方がいいかもな。

社員旅行はビッグでゴージャスな温泉旅館。そんな時代を物語る広々としたロビーです。これはこれで文化遺産です。
チェックインで館内マップを渡され、夕食時間と朝食時間を指定して‥フロントで全部決めてしまうわけだね。

さてチェックイン完了だ。高〜い天井からぶら下がっているモノを眺めていると、先ほどの仲居さんが来た。
「お荷物はこちらに置いてあります。浴衣はロビーを出て左手にございますのでお持ちください」
荷物は自分で運んで浴衣はセルフ。ちょっと事前のイメージと違った。
仲居さんがお世話してくれる昔ながらの温泉旅館ではなく、ホテルのように合理化された‥そうだな、星野リゾート系列のサービスに近い感覚です。気楽でいいけど、心付けのポチ袋は不発に終わってしまった。

ちょっと張り込んで「和室12畳+源泉かけ流し陶器の露天風呂付」なんて強そうな部屋にしてみました。サービスは現代的ですが、部屋はいにしえよりの温泉旅館そのもの。今どきの部分を挙げればテレビが薄くてデカい。
ローカルCM見たさに普段見ないテレビをつけてしまうのは仕方ない。

旅館のお楽しみゾーン「広縁」も当然のようにあるぞ。しかも文字通り広くてくつろげるじゃないか。さっそく座って何か飲むか‥あ、部屋の冷蔵庫は空なんですね。それでは売店で買っておいた山形産スパークリングでプロージット!
冷蔵庫が空ということは、部屋にある飲み物はサービスで置いてある500mlのミネラルウォーター1本。そして洗面室の水・電気ケトル・お茶っぱのセットだけか。ちと心許ないから買い足してくるとしよう。

1階売店の奥にあるフリードリンクスペースはやたら広いです。昔は用途が違ったのかもしれん。

せっかくだから冷たいお茶でもいただきましょう。広いロビーの広いテーブルで広い庭を眺めつつお茶を飲む‥いいもんですねえ。リゾートだリゾート。

自販機コーナーで麦茶や水を買い込んで‥おや食品の自販機もあるね。スナック菓子やおつまみだけでなく、カップ麺にレトルトカレーやパックのご飯まで。夜食が欲しい場合はここで買うワケか。このカレーは‥山形いも煮カレー?
ホテルの部屋でカップ麺はそれこそ日常茶飯事ですが、いも煮カレーを食べるのは空前にして絶後の体験になるんじゃないか?夕食のボリューム次第ではやってしまってもいいかもしれない。

飲み物を仕入れたので、部屋に戻って温泉だ〜!せっかくの露天風呂付き客室だからね。
洗面台はゴージャスです。そして洗顔料などもご立派ですが、髭剃りだけはちょっとコストダウンかな。というか、普通のおっさんはマイ電動を持ち歩くもんなのかな?

露天をチラッと見ると露天も露天、本当に外なので洗い場を設けることができないタイプでした。先に内風呂のシャワーでキレイキレイしよう。

ゔ〜ぃ、天国だ天国。40℃くらいのちょいぬる湯。温海温泉の源泉は文字通り熱いそうですが、引っぱってくるうちに冷めるのか、それとも夏場に合わせてあるのかしら。海辺らしい塩化物泉は非常にサラサラで柔らかい。気持ちいい〜。
陶器の湯船が具合よく、フチに両腕をひっかけて足をにゅ〜んと伸ばすと‥‥‥‥いかんいかん、時間が削り取られていくようだ。永遠に入っていられるわ、こんないい湯。おかげでクラゲの如くクニャクニャに茹だってしまいました。
夏場に温泉はいかがなものかと思ったけれど、いいもんでしたねえ。勢いで来てよかった。え、もう夕食の時間が近いの?本当に時間を削り取られているんじゃないか?温泉こわい。
次回は夕食編です。
萬国屋 山形県鶴岡市湯温海丁1