
京都のフライ割烹「みくり桑」さん。ランチでレアアジフライをいただいてからハマりまして、月一に近いペースで行ってしまっています。
京都の友人Mさんは和牛が大好き。こちらのフライ技で揚げた和牛ヘレカツなんて大喜びなのでは?声をかけてみたら即決です。肉好きすぎです。
お店に相談したところ、和牛と特別料理のコースということで快諾をいただきました。よし、京都行こう!

予約した日は雪。新幹線は盛大に遅れましたが、当初の予定より70分前の便に振り替えたら大正解、ほぼ予定通りの時間に到着することができました。もう紙の乗車券には戻れないね。

西洞院通の大変わかりにくい場所にお店はあります。歩道にあるこの看板が目印です。Googleマップで表示される場所のさらにちょっと西、路地の一番奥になります。

みくり桑さんの夜コースは、五千円プラスでマキコレワインや日本酒を飲み放題に近い形でいただくことができるのです。飲むマンにはなんともありがたい設定。
その辺のホーダイと違ってホラ、京都の日々なんて美酒も出ちゃうんだから。時期によっては新政先生も?

いつもは季節の前菜盛りからスタートのところ、今回はいきなりいちご煮なんておめでた料理が出た!
ウニとアワビの贅沢極まりない吸い物。アワビの白濁スープに浮かぶウニが朝靄の中のいちごのようだからいちご煮‥星座くらい強引な見立てだけど、オレンジ色でとにかくめでたげからヨシ!
味はもちろん海の旨味が凝縮されまして‥いちご煮の缶詰(デカくて高い)で作る炊き込みご飯が好きなんですが、やはり作りたてのホンモノは別物、はるか上を行くすんごいうまさですね。

たっぷりアワビで日々はたちどころに蒸発。お次は宮城の伯楽星。吟醸香を控えた食中酒の中の食中酒です。

お造りはフグと鉄皮のカワハギ肝ソース!厚めに切られたフグの歯ごたえ、鉄皮のコリコリ、ポン酢と合わせてうますぎる肝ソース。なんておいしくて楽しい一皿なんだ。大好きだ。

いくらお酒があっても足りない。京都のキメラを願いま〜す。有名なリストランテではなくお酒の名前です。白黒黄と三色の麹を使って醸したという、まさしくキメラ。キリッとした酸がたまらない一杯です。

ジャガイモのすりながしに入るのはポテサラコロッケ。お椀や茶碗蒸しに当たるのでしょうが、なんとハイカラな。
大地を感じるすりながしを楽しんでいると、不意打ちのようにポテサラの酸味が‥こ、これはアレが欲しくなる。

欲しければ頼んでしまえ、白ワインを願いま〜す。
出てきたのはル・ルー・ブラン レガル。日本の食文化にマッチするというマキコレワインよりの一本です。
ポテサラコロッケなんて日本発にもほどがある洋食に合わぬはずはなく、さらに言えば次の一皿、

舞鶴産・極みレアアジフライにだってバッチリなんだから!
驚きの軽さを誇るパン粉と油。わずかな熱で旨味が活性化しつつ、刺身そのままの滑らか食感を保つアジ。ほんのり和な香りの自家製ウスターソース‥これだ、これがフライ割烹だ!

そりゃ普段は飲まない黒龍なんて頼んじゃいますよ。コレ追加料金とか無いの?すごいね。

くもこのタプナード風ソースがけ。冬場の佳味としてアンキモと双璧であるタラの白子。そこに魚とニンニクの風味あふれるタプナードをかけちゃう?おっっっそろしいほどにお酒が進むよ!

岩手の赤武 結の香なんて希少なお酒とくもこタプナード!大事件だな。

牡蠣と車海老の蕪蒸し。日本酒に戻ったところでギュギューンと和に舞い戻りましたね。

優しく丸いダシと蕪の中から、ドーンとビッグな牡蠣が出た〜。おめでとう おめでとう ありがとう。

アワビのフリット!デカデカアワビにたっぷりの肝ソース!
カワハギといいアワビといい、肝ソースってなんて罪深いのでしょう。ワカメのエチュベも磯の旨味がググッと詰まって、ただの付け合わせではありません、ありません。

いよいよメインが近くなり、肉の第一弾は京都七谷鴨モモ肉のロティ。八角のようなアジアンスパイスがふわっと香り、噛みしめるとまろやかな血の風味がうまい、うますぎる。恐ろしくうまい鴨だ‥!
思わず欲しくなって、帰ってから七谷鴨の取り寄せ先を調べてしまいました。(伏線)

こいつは赤いところをいただかないとどうにもならん。マキコレワインのドメーヌ・ド・カブリアック ピノ・ノワールが出てきました。
こんな色の濃いピノさんも珍しい‥飲んでも濃いね。でも時間が経つにつれてだんだんフルーティーな香りが花開くかわいい子でした。

メインだ!なんと但馬牛のヘレだ!なんとなんと、カツでなくステーキ風で出た!
分厚いヘレはほぼナマに見えるけど、霜降りの脂はしっかり溶けて旨味の爆弾となっている‥!フライ割烹のシェフは「揚げ」だけでなく「焼き」のウデマエもとんでもなかった!
ヴァンルージュ風のソースもなんたる深味。和とフライだけじゃなくてフレンチも?そういえばアワビもそうでしたね‥恐ろしい蓄積だ。

シメの食事は最後までビックリのカラスミ餅。食べやすくお腹にズッシリ来るおもちはトリを飾るにピッタリ。
海苔も餅もカラスミも大好物。つまり三位一体となったコレは‥どどどどど〜すんの?ど〜すんの?
すっかり幸せ、素晴らしい特別コースでした。頼んでよかった‥!
満足そうな顔を見た店主さんが「2月末にフライのない料理会をやりますけど、いかがですか?」と。
‥‥え、そんなの混ざっちゃっていいんですか?もちろん参加しますということで、また京都に来ることが決まったのでした。
みくり桑 京都府京都市中京区西洞院通り六角下がる池須町419-6