
カツ丼食べたい。蕎麦屋さんに行くかとんかつ専門店に行くか、ザットイズザクエスチョン。
あっ、あのお店のカツ丼食べたことなかったな。行こう行こう。

やってきたのは邑楽郡邑楽町、その昔は自販機コーナーのメッカであった大根村交差点付近にあります「笹りんどう」さん。大根村なんてマンガの田舎みたいな地名ですが本当です。だってグンマだもの。
笹りんどうさん、とんかつ一筋‥何年だっけ?

そう、44年!
店内にはこんな感じで色々な貼り紙があって、さぞかし神経質で怖いお店なのでは‥と思わせておいて、実は豪放磊落を地で行くご主人と明るいフロア担当の方が迎えてくれます。

この日は「ランチもありますよ」と言われたので土曜日だったのかな?専門店のとんかつ定食が870円はランチサービスとしてもビックリ価格ですが、本日はカツ丼気分なのだ。

グランドメニューを見ると‥あったあった、カツ重!900円はこれまた安いな。
しかし良く考えたら44年間続くオリジナルソースでしょ?もしかして玉子でとじたカツを食べている場合ではないのでは‥そうだよそうだよソースだよ、うまいとんかつ、ソースだよ。
予定変更でランチとんかつ、いやさらに上を行って、とんかつ定食かめを願いま〜す。つるかめはサイズの違いだったと思います。
注文が入ってから肉を切り、量り、揚げる!当たり前であってほしい工程を、当たり前のようにやってくれる素晴らしさ。

あまりにも模範的な定食スタイルにうっとりしちゃう。

写真ではわかりにくいですが、大きな皿にビッグなとんかつがデデンと構えてすごい迫力。美しいきつね色はまさしく匠の技です。

たっぷりのキャベツ、そして嬉しいマカロニィちゃん。デザートのオレンジまであるぞ。

はっ、ここはグンマだ。黙っていればドンブリ飯が出るんだった。でもとんかつのサイズ的に、このくらいご飯がないと追いつかないよね。少なめコール忘れは僥倖としておこう。

味噌汁は油揚げや大根の具沢山。ワカメの切れっ端だけ入ったオマケ味噌汁とは違い、定食の補佐という職務を全うされております。

さて、とんかつ様のお肉をあらため‥ふはは、さすが「かめ」さんだけに面積だけでなくタテも十分。でも今どき流行りの極厚なんかとは違う、衣とのバランスまでが計算された厚みなのだ。

44年ソースはヒシャクで。これまたテンションの上げ方をわかっていらっしゃる。
ヒシャクでかける自家製ソースとなると粘度が高いものを想像しますが、こちらのソースはウスターのようにサラサラ。こぼさないかな、大丈夫かな‥えぇい、ままよ!

おお〜、結構うまくいったかも。濃いゾーンと薄いゾーンがいい感じに分かれたんじゃないですか?キャベツ用のマヨネーズもあったけど、せっかくだから全部ソースでいただきましょう。

いきなりセンターの最大ピースを、ソースとカラシたっぷりで。
完璧な火加減の赤身に染み込むソース!塩気が強めなれど当たりが柔らかい、なんとなく醤油なムードもあるソースはわずかな酸味を帯びて、とんでもない白メシ殲滅兵器。
とんかつ半ピースでご飯が3口くらい欲しくなるじゃないか。なんならキャベツでご飯が食えるぞ。

とんかつ定食の小鉢は、なめこおろしや冷奴等、冷たくてさっぱりしたものがいいと思います。つまり冷奴と香の物が揃うこちらは最高。

衣と脂と赤身の見事な三国鼎立。
ドッシリとしたロースかつなのにアブラに疲れずガフガフ食べることができるのは、サラッとしたソースの力なんだろうな。
ぼくが間違ってアメリカあたりで一山当てて、日本に戻った時に食べたくなるとんかつは‥ここか籠原のお店になるのかなあ‥その頃にはとんかつひとすじ何十年になっているのだろう。
‥一山当てる心配はない?そうだね。
笹りんどう 群馬県邑楽郡邑楽町石打1114-1