大蒜老酒蒸しとイセチリのダブル伊勢海老ディナー!豪華で極上だけどなんとなく家庭的、身体と心に優しい中華オーベルジュはこちらです チャイニーズオーベルジュ 仙豆飯店(伊東市)

河津でごちそう丼をいただいた後は国道135号をひた走ります。高級別荘やペンションが軒を連ねる伊豆高原・・のはずですが、実は好事家垂涎の怪しげなスポットが多数あるのはあまりにも有名です。

もっとも最近は大物の施設(野生の王国とか)が色々と減ってきて寂しいけど大丈夫、クセとかアクの極北たるサブカルの聖地、

まぼろし博覧会」さんは健在!健在どころかSNSを駆使してファンを増やし、展示物もバンバン増殖して発展する一方!そして3度目の訪問で初めて館長のセーラちゃんにお会いできました!やったー!

秘宝館的なモノや昭和レトロなど偉大なコレクションはもちろんのこと、セーラちゃんグッズや図書の販売コーナーもあります。「ゲテ食大全」のような勉強になるけど参考にしてはいけない奇書珍書が多数ありますので、その辺もお見逃しなく。

オートマタ美術館やひもの屋さんに寄り、16時くらいになったからチェックインしましょうかね。

伊豆高原の宿といえば「チャイニーズオーベルジュ 仙豆飯店」さんと決まっております。ピースしているシーサー、その名もまんまピーサーくんも元気そうでなにより。

風呂に入ってゴロゴロして廊下にたくさんあるマンガ(一部ぼく寄贈)を読んでいるうちに18時半、晩餐の時間ですよーッ!

ダイニングに移動してドリンクメニューを開きましょう。自家製ジンジャーエールに自家製コーラに工芸茶と、ノンアルも面白そうなものが揃います。

面白そうだけど、激ウマ中華を前にシュワシュワしている場合ではない。森本酒造の小夜衣をくださいっ!菊川市の小さな酒造で、正直ここでしか見たことない。

まずは前菜盛り。なんと麗しいお皿でしょう、どこからどう箸をつけても酒が進むこと疑いなし。

12時方向よりキュウリとクラゲの豆板醤あえパプリカ・セロリ・インゲン等のピクルス、右下が大根餅で左が伊豆鹿の低温調理ロースト、鹿のお布団になっているのが韓国かぼちゃの花椒塩

大根餅という点心、こちらのものをいただくまでは正直思い切り軽視していましたが、認識がガラリと変わるほどウマいんです。鹿のローストはしっかりニンニクが効いて野生味満点、もうお酒がカラである。おかわり願いま〜す。

左から紅芯大根の甘酢、ゴーヤーチップス、黒木耳の生姜炒め

ゴーヤーチップスは泡盛があればずっと飲んでいられる佳肴。黒木耳の炒め・・八神さんの野菜炒めでは焦げたキャベツでしたが、こちらはリアルきくらげ。コリコリ楽しい。

さらに地物空芯菜の炒めが出ます。仙豆飯店さんの青菜炒めはモノが違う。良い野菜を良い塩と良い油、そして極上のウデマエで炒め上げてあるのですからたまりません。

シャキシャキを楽しんでいると程よくニンニクが香ってうめえなあ、菜っぱの炒めと白メシだけで完結できちゃうな。でもお酒にはもっと合うんだな。

とうもろこしと卵のスープは国産丸鶏の柔らかな旨味がたっぷりと出て思わずため息。庭で飼われている烏骨鶏やアローカナがコケコケ言っていますが、まさか君らの友だちの出汁じゃないよね。

烏骨鶏の卵の方は昨年いただきまして、素晴らしい卵かけご飯を楽しめました。

点心として北京ダック。甜麺醤でトリの皮部分を食べるなんて何を考えているんだ中国人もっとやれ。

化学調味料不使用のオイスターソース等を仕入れてニコニコ見せびらかすマスター、立派な変態で素敵です。

本日のダブルメインイベント一回戦、伊勢海老の大蒜老酒蒸し!え、ちょっと待って。やたらとデカくないですか?あいぽんのカメラに収まらない勢い。

マスター「運良く特別大きいのが入ったんですよ。半分は後半出ますんで」

ありがたいありがたい。では食べやすいようバラしましょう。カニは食べられないけど伊勢海老バラしはちょっとしたもんです。ゴリっとひねってベリっとはがして

ほ〜ら30秒でバラバラ。慣れない方はマスターにお願いすれば大丈夫。

しかし身が多いな、こんなに食べごたえのある伊勢海老も珍しい。ゴリゴリプリプリとした身にニンニクと老酒の風味が染み込んでウマいなんてもんじゃない。こんな食べ方を覚えたら、刺身の出番はゼロになっちゃう。

そしてもちろんミソね、ひとなめでお酒半合はすっとぶよね。ああ〜、久しぶりにここの伊勢海老食べたけど、ホント至福だわ。

フレンチと見まごうばかりの一皿は金目鯛のフルーツソースですか、初めて見た。ああそうか、いつも金目鯛の清蒸を頼むから出番がなかったわけですね。

プックリと揚がった金目鯛にかかるソースは、よく見る酢豚とかのソレとはちょっと違う。フルーツ個々の甘味酸味が鮮烈で、これはアレだ、至高のカレーの点描画理論だ。

煮えたつような熱々の器に入って登場、松阪豚の四川麻婆豆腐です。

三年熟成豆板醤とたっぷりの花椒!そして松阪豚は挽肉ならぬ、ブロックを包丁で叩いたモノというので肉の繊維が活き活きしています。

そんな極上麻婆豆腐にはアレが必要・・

そう、メシ!当然のようにひと口ご飯を持ってきてくれちゃうんだから困ります。しかも有機栽培天日干しの農林22号ですって。

豆板醤はいかにも熟成された旨辛さ、花椒はもちろん鮮烈、全てを引き立てる菩薩のごとき豆腐と米。これはいかん、宇宙が見えそうになるひと碗ですよ。

ダブルメインイベント二戦目、伊勢海老チリソース、通称イセチリ!ずーっと食べたかったけど、胃袋的に丸ごと金目鯛と両立できるはずのなかった一品。今まで食べなかったことが一気に後悔されるほどのグッドビジュアル!

チリといっても辛さ控えめ、酸味と旨味メインで伊勢海老そのものの甘味を楽しめます。香菜とともに食べれば百八つの風味に囲まれて幸せを超えていく。

ちょっと待ってください。南半球は明らかに違う個体じゃありませんか?

マスター「ソフトシェルが手に入りましたんで、前に食べたいって言っていたでしょう?どうぞ」

なんてことだ!カニは聞いたことあるけど伊勢海老のソフトシェルですよ!ガブリとかじると・・ソフトとはいえちょっと歯に残るんですね。でも未知のウマさだ、これは面白い。掘ったりしゃぶったりしなくても身とミソを一緒に楽しめる、なんと便利で食べやすい子でしょう。

マスター「お誕生日ですよね。桃のマントウを作りましたんでエビチリのオトモにどうぞ」

なんともはやありがとうございます。こりゃ見るからにおめでたい。お尻部分から割ってエビチリを挟んだら最高でしょうが・・すみませんマスター、胃袋が活動限界です。

マスター「じゃあイセの残りとマントウはラップしておきますんで、カウンタータイムのおつまみにしましょう」

そうですね、恵命我神散を飲んで1時間半も寝っころがれば再起動できると思います。

デザートも翌朝に回していただくことにして、水菓子で終了。

ダブル伊勢海老のどっちもウマかったなあ〜。麻婆豆腐もウマさが増したような気がする。空芯菜も大皿でワリワリ食べたいし。こんな美味しいものたちで動けないほど満腹になるなんて幸せだなあ。

そしておおむね90分後、カウンターでイセチリを肴に日本酒など飲んでしまって翌朝は大変・・と思うでしょう?ところが胃もたれゼロなんですよ、ここの中華は。しかも二日酔いでも大丈夫、だって朝は特製の・・というわけで、次回は朝食です。

チャイニーズオーベルジュ 仙豆飯店  静岡県伊東市富戸1317-5719

まぼろし博覧会 静岡県伊東市富戸梅木平1310-1

昨年の仙豆飯店・金目鯛の清蒸など

セーラちゃんはいなかったけどまぼろし博覧会詳細

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