まずい映画のあとしまつは美味しいお寿司で!板宿の名店に三度目の訪問です 鮓 ちかもち(須磨区・板宿駅)

ウワサのアレを見に行こうということで、友人たちと三人で神戸ハーバーランドにやってきたのは2月後半のことでした。

予告を見てうっかり期待しちゃったのですが、いざ封切となったらまあすごい。こんなに酷評しか出ない映画ってある?どんなもんか見てみたくなるじゃないですか。

・・・実際見たらすごかった。スタッフロールが終わって隣席を見たら、友人二人は完全に溶けていた。喫茶店で感想戦をすると、どこがどうイヤだったかのぶつけあいが止まらない止まらない。2時間くらい語り続けたんじゃないだろうか。上映時間より文句の方が長くなってしまった。

美味しいモノでも食べないと今日1日がゴミになってしまう。でも大丈夫、こんなこともあろうかと、板宿の「鮓 ちかもち」さんを予約しておいたのです。

完全予約制、夜は5500・8800・11000円のコースから選ぶことになっています。今回は8800円コース。22年4月より6600円と11000円のコースのみに価格改定されるそうです

本日の日本酒はこちらですか。無ろ過生と聞いただけで七田にしようかしら。

「今日はこんなのもあるんですけど」

奥様が見せてくれたのが奈良の櫛羅(くじら)。その名の通り櫛羅地区産の山田錦のみ使用という地酒の中の地酒です。聞いたことはあったが初めて見た!くださいっ!

和らぎ水と共に櫛羅の登場。はい、それでは大怪獣にかんぱい・・はイヤだな。土屋太鳳の未来にかんぱ〜い。ご武運を・・

最初に出たのは淡路島のモズク。モズクって海藻だったよなあと改めて思い出す磯の香りよ。ニュルニュルでシャキシャキの食感よ。いきなり櫛羅が半減してしまう。

ヒラメの造りにカラスミをまぶすとはなんと罪深い。櫛羅は香りが穏やかでコメの味がしっかりしているから、魚やカラスミにピッタリだね。素晴らしいね。というわけでおかわりお願いします。

骨切りの包丁跡も鮮やかな伝助アナゴのポン酢がけ。明石名物の伝助アナゴですが、伝助ってウドの大木みたいな意味らしいです。こんな美味しいのに・・骨の処理がめんどうだったのかな。

また明石の名物が来たぞ。タコ柔らか煮です。先っぽはまさに柔らかトロリ、太い部分はきゅむっとした歯ごたえが楽しいところに柚子が香ってさあ大変。

柚子の皮を削ってふりかけていると思うのですが、オラオラ威張らずフワッと香るのが不思議〜。

ホタテ茶碗蒸しの登場に茶碗蒸し好きの友人はニッコリ。好物ってほどでもないけど、ここの茶碗蒸しにはぼくもニッコリ。出汁とホタテゾーンからタマゴゾーンに入ったところで、アナゴが出てきてこんにちは。ああうまい。

うなぎ白焼きの登場です。ヌメりを完全に取り去って、カリッカリに香ばしく焼かれています。川魚特有の濡れた犬みたいな感じはゼロ、わさびはいらないくらいだな。でも太いわさびを丹念にすり下ろしてくれましたからね、塩とわさびでだけお酒を飲んじゃう。

ガリが置かれた、つまり握りゾーン突入!まずは明石の代表選手、!筋肉質の見事な歯ごたえはどうだ。ご飯がホロリとくずれて鯛と煮切りと一体化すると、思わずお酒に手が伸びる。これは仕方ない。

またまた明石の名産ですよ、ハリイカ!もっちもちで甘くて、なんだか握られるために生まれたようなイカだよ、かわいそうに。

好物のシマアジさんも煮切りでいただくとひと味ふた味と違います。ネタもご飯も小さめで、ホント酒を飲むのに最高のお寿司なんだよなあ。

さらに好物、いやさ大好物のシメサバが来てはたまらない。ここで七田をください。サバの強烈なウマさには無ろ過生の旨味とパワーが必要だ。

タチウオの炙りはふわっと軽くて素敵。刺身はしっかりした食感なのに、火を通すとぷっぷくぷーになるのね。

タイラギさんだ〜。ホタテより潔いというのか、シャクっとタテに裂けるようで面白いね。

色味も甘味も臨界突破のクルマエビ。パック寿司ではイカと共に頭数あわせ的なメンバーですが、デキるお寿司屋さんでは主役を食いそうな勢いのモノを出してくれます。

その主役だ。希少な淡路島のウニです。軍艦でひと口もいいですが、お猪口で出てきて匙でいただくとなると2回に分けたくなる。そしたらお酒も2回飲めるじゃないですか。ヒヒ。

主役の中の主役、ホンマグロ!マグロの握りは見た目でウマいかどうか分かってしまうモノですからね。こちらは・・はい、そういうことです。涙どころかハナまで出ちゃう。

主役の後もたたみかけるような波状攻撃は収まりません。冬の代表たる焼き白子選手は持ち前のコクに香ばしさまで加わっちゃうズルい子です。

なんじゃあこりゃあ!と声が出た。イワシ・・うめえぇえ〜!!見た目も美しく本日のMVPじゃないかしら。イワシとシメサバをずらりと並べてお酒を飲み続けたい・・我ながら青魚好きすぎだな。

トロリと旨味が舌の上で溶けるような蒸しアナゴ。湯引きだった伝助とはまるで違う一面を見せてくれちゃってこの。

なんて言っていたら焼きアナゴで力強さアピールまでしてきたよ!なにこのアナゴ七変化!

赤だしが出たので締め間近かな?芋のロックをいただきましょう。

締めの食事がわりに食べごたえのあるサイズの巻物。サクというよりブロック状のトロを包丁で豪快に叩いたネギトロです。

最初から最後までニヤニヤし通し、笑っちゃうくらい美味しかった。初めて来た友人も大いに気に入った模様です。これで大怪獣のアレは忘れ・・なかったようで、Twitterに思いの丈をぶつけていましたが・・

そしてまた次回の予約をしてしまいましたよ。毎月神戸に寿司を食べに来るグンマ人。

鮓 ちかもち 兵庫県神戸市須磨区平田町1-1-20 谷崎ビル 1F

前回の訪問

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