ピジョン・ロワイヤルでシャンベルタン!なんと餃子のまち宇都宮で! ブルーセゾン(宇都宮市江曽島町)

宇都宮の食で思いつくのは餃子や焼きそばにかぶと揚げあたり。ややB級寄りなイメージですが、驚いたことに(?)本格にしておしゃれなフレンチに出会ってビックリしたのは夏のこと。

その際に「鳩が入ったらインスタで告知願います」と言ってみたところ、本当に入荷のお知らせが出ました。しかも秋を告げるジロール(アンズタケ)と共に。11月頭に予約を入れたのは言うまでもありません。

東武宇都宮駅から南下すること約5km、江曽島ユナイテッドガーデンの一店舗である「BLEU SAISONS」さん。ブルーセゾンと読むそうで店名から素敵です。やっぱり宇都宮ではないのかもしれん。

タクシーに乗ったと同時に降りはじめた大雨のせいで、ちゃんと写真を撮ることができませんでした。前回も夕立でロクに撮れなかったんだよな‥青い季節は雨の季節?

事前予約で鳩を出してくれるのは、通常のモノリスコースより1ランク上のグランモノリスコース15,500円。

まずはハーフボトルのスプマンテでかんぱ〜い。

最初のひと口はジロールとパルミジャーノのサブレ。まだほんのりと温かいところをザクっと食べればジロールの甘い香りとチーズの旨味。ちっちゃいのに泡が進む進む。

なんだかスイーツのような見た目ですがスープです。フランスと栃木の栗を使ったポタージュにカカオと胡椒のチップを添えて‥なるほど、材料もスイーツっぽかった。

栗の穏やかな甘味とカカオの渋味が互いを引き立ててスプーンが止まらないじゃないか。素材はスイーツなのにスプマンテが進んで仕方ない。恐ろしいポタージュだ。

ハーフボトルなどたちどころというわけで、次の飲み物をいただきましょう。オードブルからポワソンまで一本で行くとすると白なのでしょう。

前回非常においしかったトリンバック リースリングをお願いしましょうか。アルザスなら海でも川でも、なんなら貝でもイケる。たぶん。

まあ早い話がアルザスのリースリング好きなんです。本場でシュークルート食べたい。

出ましたものはモンサンミッシェルのムール貝と麦のサラダ仕立て。本当に貝だった‥え、上にのったチョンマゲはなんと松茸?うれしい不意打ち来たーッ!

ムール貝のエキスを吸い込んだ麦のプチプチがなんとも楽しくおいしい。麦とか米をサラダ風に食べるって日本人には新鮮でいいもんですね。

そして松茸の香りってワインとも仲がいいんだね、びっくりだよ。アルザスの白って万能だな。

栃木県産の蕎麦粉を使った焼きたてフォカッチャ。ムール貝のお皿に残ったソースをつけると栃木とフランスのテロワール大合戦であります。

フォアグラとラ・フランスのパートフィロ包み キャラメルウイスキーソース。ここでフォアグラだ!フォアグラとほんのり甘い洋梨を、ウイスキーが香るソースで‥なんとアダルトタッチなお皿でしょう。

ワインもいいけど、ワンポイントリリーフでバニラっぽい香りのウイスキーが飲みたくなっちゃう。

さて魚のお皿ですよ。本日は甘鯛の鱗焼き 菊芋とチーズのソース

ナイフをあてるとカリリと鳴る鱗!甘鯛の醍醐味だな‥でも食べると若狭焼きとはまるで違う不思議な味‥

ソースに入っているエシャロットと散らしてあるハラペーニョのおかげで、甘鯛の隠された風味を知ってしまった。そしてアルザスワインを頼んでいたぼく、おめでとう。菊芋に合いすぎる。合格だ。

次は当然メイン、鳩様の登場になるのでしょう。そうなると赤い所を頼んでおかないとね。ちょっとお値段は張りますが、めったに食べない鳩だからケチってはいけません。

ジュヴレ・シャンベルタン アルマン ジョフロワ。鴨よりさらに鉄分アップの鳩にはこのくらい力強いお酒が必要と思われます。

ギュギュッと詰まった果実感。9年を経たおかげか渋みも柔らかくなっていい感じ。鳩とか関係なしで単純にうまいなコレ。

ついに来た!メインの鳩、ピジョン・ロワイヤル!ドカンと半身はご当地名物かぶと揚げ感もあるような?

低温調理からの炭火仕上げで、ソースもピジョンのフォンを使っているのですって。付け合わせには秋の使者ジロール‥つまりこのお皿の上は宇都宮ならぬおフランスざんす。

鳩と言ってもお寺でポン菓子なんか突っついている子ではありませんからね。鳩の王様ピジョン・ロワイヤルですよ。

鶏や鴨ではやわらか担当の胸肉部分がすごい弾力!ギュムムと噛みしめる‥血だ、鉄だ、野の肉だ!

白ワインですこしポヤーっとしていた頭がパキーンと覚めた!うますぎて!

褐色の部分を食べるとハツやらレバーなのか、凝縮されまくった血液そのもの。そこにシャンベルタンをクイっと‥鉄とタンニンがバシャーンとぶつかり合い、汗が飛び散る!

‥パワフルな鳩と芳醇なワイン、アンドレ対ハンセンのような素晴らしいマッチメイクです。骨をつまんで肉一筋も残さじと食べていたらワインなくなっちゃった‥どっちもまだまだ欲しい‥

涙を飲んでデセールで余韻にひたりましょう。ギリシャヨーグルトをベースに焦がしたりんごと洋梨。お皿をキャンバスに美しく描かれていますね。甘味酸味ほろ苦が順番に現れて楽しいなあ。

いや〜大変幸せなひとときでした。やはり鳩ってうまい、うますぎる。年に1・2回は食べたいね。

寒くなってきたら鴨が本格化するのかしら。インスタでコルヴェール(青首・マガモ)やらシャラン鴨(希少な鴨・血抜きしない)を入れることもあるとかおっしゃっていたような‥鳥類好きすぎ族としてはたまらない。首を青くして告知を待つ!待つのだ!

BLEU SAISONS(ブルーセゾン) 栃木県宇都宮市江曽島町1412−5

鹿がメインだったモノリスコース

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