あまり寒くもないけど冬です。そば・牡蠣・鴨・ブリと食べたいものがぞろぞろ揃う季節ですが、なんと言っても真打はふぐでしょう。とらふぐを食わせろ〜！
え、カニ？そんな生き物は知りません。
というわけで、宇都宮の「かもし家」さんでとらふぐ鍋コースを予約したのであります。
わざわざ宇都宮まで来た理由は3つ。ひとつ、ふぐと言えば鍋なので二名からだけどグンマに友だちがいない。ふたつ、かもし家さんはその鍋が大得意。そしてみっつ、前回ハモと松茸の鍋をいただいた時に「次回はふぐでお願いします」と予約してしまっていたから。
カウンター席に案内していただき、メニューを‥見る必要はなかったな、とらふぐ鍋コースでお願いしてあるのだ。
実はすっぽん鍋コースも食べたいのよね。さらに11月12月の「季節の鍋」はなんとブリと九条ネギのしゃぶしゃぶ！もしかして毎月通わなくちゃダメなのか？
料理はOKなので飲み物を頼むとしましょうか。「かもし家」さんなんて店名らしく美酒佳醸、なんなら日本のワインまでもが揃います。生原酒なんて文字列に弱いので鍋島を願いま〜す。
佐賀の鍋島 New Moon純米吟醸生原酒！
おまえはなにだ？はーっ、生原酒にございます。生原酒とはなにだ？この世で一番味深きものでございます。
えっ、ザ・ムーン知らない？おかしいな。
うわ〜と歓声が飛び出す美しい前菜。12時から右回りに牡蠣煮・ナッツのクリームチーズ寄せ・汐銀杏・蒸し鶏・とらふぐの煮こごりと来て、センターは古代もち米を蒸したもの。
もち米蒸しうまいなあ。ムチムチ感も甘味も現行の米より強くて‥なんでコレが古代になってしまったんだ、生産性とか耐性とかの都合か。牡蠣も鶏も永遠に飲めそうだし、そしてとらふぐはいつだって煮こごりの王。いやはや危険な一皿です。
こんなの鍋島おかわりと思ったら、さっきの徳利でおしまいだって。では、
酒どころ越後より〆張鶴 しぼりたて生原酒を召喚しましょう。生原酒好きすぎ問題。
いつもの鍋コースならここでお造りのところですが、今日はとらふぐ鍋コースですので‥てっさキターー！しかも半分はタタキだって！
ふぐって本当に、何がうまいのか分からんのにとにかくうまい。味があるような？ないような？結局はネギとポン酢がうまいのか？とか色々思いますが、同じ組み合わせでカワハギなんか食べると、身より肝が主役になっちゃうんですよね。不思議だ。
タタキはそんなほのかな風味がアップ。なんだか歯ざわりも違って楽しい。紅たでとか刻み大葉なんて普通のふぐ刺しではあまり見ない薬味も相性バッチリだ。
ふぐって薄〜く引かれてあまり食べごたえが無いあたりもお酒を呼ぶ要素なんですかね。お腹にたまらず旨味豊かな上にポン酢の酸味で舌を洗い続けるって、どう考えても理想の肴ですもんね。
お次は分かりやすくおいしいモノが来ましたよ。ふぐの唐揚げ！これは熱いうちに手づかみでアチチといただかなくてはバチが当たる。
生では薄く引かないと歯が立たないほどの弾力なのに、揚げるとポコリと綺麗に骨から外れてプリンプリンして‥唐揚げで優勝はスッポンかふぐかどっちだろ。悩ましいけど、お酒の呼びっぷりは引き分けということで、
たまらず召喚したのは長野の帰山 純米吟醸 生酒。ほんのり甘くて軽やかで爽やかで‥こりゃふぐの静かで深い旨味に持ってこいですね〜。今後はずっと同じもので行くかな。
いよいよメインのとらふぐ鍋がセットされます。
薬味にポン酢も配置完了！先にも言いましたが、ふぐの美味しさの結構な部分はポン酢に依るワケで、鍋物を得意とするかもし家さんでふぐを食べるのは大正解ということだな。
ポコポコ煮えてきましたよ。普通おいしいものと言えばここでたっぷりアブラが浮いてくるワケですが、全く浮いてこないのがまたまたふぐの不思議ポイント。アブラのコクに頼らず、アミノ酸の旨味で勝負です。
骨離れの良い身はもちろんなんですが、旨味を吸いまくった白菜や豆腐がご馳走なんだよな！ネギもたまらなくうま〜い！日頃の小食も忘れてわっせわっせと具をさらい、みるみるうちにお鍋すっかり食うモノなし。
鍋の中がほぼ出汁のみに‥つまりてっちり最大のお楽しみ、イッツショータイムだ！
真のメインイベント、ふぐの旨味がこれでもかと溶けこんだ汁で雑炊です。もうね、ご飯少なめ出汁だくだくでお願いしちゃったよね。
ふぐの旨味120%の出汁を吸いに吸った玉子とコメ。この時のために色々な具を懸命に食べていたフシすらあります。しあわせだなあ。
最後に大晦日引き渡しというかもし家さん謹製おせちを予約する友人‥しまった、よそ様の通販を頼んでしまった。ぼくも来年はここにしよう（気が早すぎる）。
さて、次回はすっぽん鍋コースですかね。いつにしようかな。
かもし家 栃木県宇都宮市中央5-17-20